尿に勢いがありませんか?前立腺肥大かもしれません
年齢を重ねると、生活のペースがゆっくりになる傾向があります。ときには、それも良いですね。朝のコーヒータイムに少し時間をかけることも、景色を楽しめるルートを選んで通勤することもあるでしょう。
しかし、尿の勢いのスローダウンまで、年齢によるものと考える必要はありません。ここでは尿の勢いが弱くなる原因と、その治療法をご紹介します。
何が原因で尿の勢いが弱くなるのですか?
尿の勢いが弱くなる原因として考えられるのは1つではありません。
しかし、高齢の男性については、高い可能性で前立腺肥大症(BPH)が原因として考えられます。50歳代男性の40%以上、80歳代男性の90%近くがBPHを抱えており、世界で6億6000万人を超える男性がBPHに罹患しています1,2。
あなたの前立腺肥大症の重症度はどのくらいですか?
前立腺症状スコアを確認してみましょう(所要時間2分)。
前立腺肥大症:徴候と症状
前立腺は、膀胱の下に位置し、尿道を取り囲んでいる小さなクルミ大の臓器で、男性の生殖器系の一部として、射精によって精液として放出される液体成分を産生する役割を担っています。
しかし、前立腺は45~50歳頃から大きくなり始めます。これは加齢に伴う正常な現象です。男性の生活の質の大きな影響を及ぼす前立腺肥大症の症状をいくつか見ていきましょう。
基本的な症状
前立腺が大きくなると、尿の出口である尿道を塞ぎ始める可能性があります。これが原因で次のような排尿症状3が現れます。
- 尿に勢いがなくなる
- 突然尿意が生じる
- 昼夜を問わず、トイレが近くなる
- 尿が出にくい
- 排尿時にお腹に力を入れる必要がある
- 膀胱に尿が残っている感じがある
進行した症状
治療せずに放置すると、症状が進んで重症化する可能性があります。前立腺肥大症を治療せず進行させると、膀胱が不可逆的なダメージを受けることもあります4。
対処法
尿の勢いが弱い、などの症状がある場合は、次の段階に進み、根本的な原因に対処することが重要です。あなたの症状が治療を必要とするくらい重いものかどうかを確かめるには、どうすればよいでしょうか?
質問に答えて、前立腺肥大症スコアを確認してください。スコアにより、自分の症状の重症度が理解しやすくなります。
治療を考えている場合は、どのような選択肢があるかを知ることが重要です。前立腺肥大症の治療の選択肢は、侵襲性が低いものから高いものまでさまざまです。
非侵襲
投薬および経過観察
アルファ遮断薬は膀胱頸部の筋肉を弛緩させる効果があり、排尿を助ける一方、アルファレダクターゼ阻害薬は前立腺を収縮させる効果があります。
症状を管理するには薬の服用を続ける必要がありますが、めまい、疲労、性機能障害などの副作用が現れる可能性があります5,6。
低侵襲
経尿道的前立腺吊上げ術(PUL)
小さなインプラントを埋め込み、前立腺の両側を吊り上げて圧縮することにより、尿道を広げ、尿流を増やすというシンプルな手技です。
PULでは前立腺組織を加熱、切断、除去、または破壊する必要がありません5,7-11。新たな持続的性機能障害を引き起こさないことが示された治療です*5,12-15。最も多くみられる副作用は
一時的で、血尿、排尿障害、尿意切迫感、骨盤痛、切迫性尿失禁などがあります7。
水蒸気治療
低侵襲手術では、症状の緩和のため、熱および蒸気により前立腺組織を除去します。
多くの場合、回復の過程で、膀胱にカテーテルを挿入する必要があります9,16。
勃起障害や射精機能障害も発現します5,9,15,17。
侵襲性の高い治療
外科手術
経尿道的前立腺切除(TURP)では、前立腺組織の切除のため、超高温の薄い金属ワイヤーが使用されます。前立腺が非常に大きいか、合併症がある重症例では、前立腺に直接アクセスするために開腹手術が必要です。
外科手術では、入院中にカテーテルを膀胱に挿入した状態で回復を待つ必要があります18。出血、勃起障害や射精機能障害が発現する確率も高くなります5。
まとめ
45歳以上の男性で、尿の勢いが弱くなったら、前立腺肥大症が原因である可能性があります。前立腺肥大症(BPH)はよく見られる疾患ですが、症状が悪化するまで放置しないでください。前立腺肥大症の症状スコアを確認し、対処してください
BPH治療の選択肢の詳細については、こちらをご覧ください。